「辞めてから探すか、働きながら探すか」。在職中に動き始めると、収入が途切れず、健康保険や年金の切り替えも最小限で済みます。この記事では、在職中の転職活動の進め方と、関係する制度を公的機関の案内にもとづいて整理します。
在職中と退職後、制度上の違い
| 在職中に決めて退職する | 退職してから探す | |
|---|---|---|
| 収入 | 給与が続く | 基本手当は、待期7日と、自己都合の場合は給付制限(原則1か月)のあとに支給 |
| 健康保険 | 退職の翌日に入社する場合は、新しい会社で加入 | 任意継続、国民健康保険、家族の扶養から選んで手続きする |
| 年金 | 新しい会社で厚生年金に加入 | 国民年金第1号被保険者の手続きをして、保険料を納める |
病気やけがで働き続けるのが難しい場合は、先に傷病手当金を確認してください。
在職中の転職活動の手順
- 転職の目的と、譲れない条件を書き出す
- 職務経歴書を作る
- 求人を探す(転職サイト、転職エージェント、ハローワーク)
- 応募と面接
- 内定が出たら、労働条件を書面などで確認する
- 入社日を決めてから、今の会社に退職を申し出る
- 引き継ぎをして、退職する
6の順番が大切です。労働条件を確認し、入社日が決まる前に退職を申し出ると、話が流れたときに無職の期間ができます。
内定が出たら、労働条件通知書を確認する
会社は、労働契約を結ぶ際に、労働条件を書面などで明示しなければなりません。労働局は、次のような通知の方法は違法になるとしています。
- 労働条件通知書を、入社して1か月たってから渡す
- 求人票と同じ内容だと口頭で伝えるだけ
- 労働契約と異なる内容の労働条件通知書を交付する
雇用期間(いつからいつまで働くのか)、期間が決まっている場合の更新の有無や判断基準、どこでどんな仕事をするのかなどを、書面で確認してください。
退職の申し出
退職を申し出る期限は、会社の就業規則で確認してください。退職の際に、使用期間、業務の種類、地位、賃金、退職の事由について証明書を請求した場合、会社は遅滞なく交付しなければなりません(退職証明書)。
転職サイトと転職エージェントの違い
| 転職サイト | 転職エージェント | |
|---|---|---|
| 探し方 | 自分で検索して応募する | 担当者が求人を紹介する |
| 日程調整・条件の確認 | 自分で行う | 担当者を通じて行う |
| 向いている人 | 自分のペースで探したい | 在職中で時間が取れない、相談しながら決めたい |
転職エージェントを使う場合も、紹介された求人が自分の条件に合うかどうかは、労働条件通知書で確認して自分で判断してください。
退職してから探す場合の「再就職手当」
基本手当の受給資格の決定を受けたあと、早く安定した職業に就くと、再就職手当が支給されます。
| 基本手当の支給残日数 | 支給額 |
|---|---|
| 所定給付日数の3分の2以上 | 支給残日数 × 70% × 基本手当日額(上限あり) |
| 所定給付日数の3分の1以上 | 支給残日数 × 60% × 基本手当日額(上限あり) |
支給を受けるには、次のすべてを満たす必要があります。
- 7日間の待期期間が満了したあとに就職したこと
- 就職日の前日までの失業の認定を受けたうえで、支給残日数が所定給付日数の3分の1以上あること
- 離職した前の事業主に再び就職したものでないこと
- 離職理由による給付制限がある方は、待期期間満了後1か月の期間内は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によって就職したものであること
- 1年を超えて勤務することが確実であること
- 原則として、雇用保険の被保険者になっていること
- 過去3年以内の就職について、再就職手当などの支給を受けていないこと
- 受給資格決定(求職の申し込み)の前から採用が内定していた事業主に雇用されたものでないこと
4は見落としやすい点です。自己都合で退職した方は、待期が終わってからの1か月間は、ハローワークか職業紹介事業者の紹介で決まった就職だけが対象になります。この1か月を過ぎれば、就職の経路は問われません。
8にも注意してください。求職の申し込みをする前に内定していた会社に入社する場合は、再就職手当の対象になりません。
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出典
- 長崎労働局「労働法の基礎講座 第3回 労働条件の明示事項」
- 長崎労働局「労働法の基礎講座 第46回 退職時の証明・金品の返還」
- ハローワークインターネットサービス「就職促進給付」
- 厚生労働省・ハローワーク「再就職手当のご案内」
- ハローワークインターネットサービス「基本手当について」
- 厚生労働省「令和7年4月以降に教育訓練等を受ける場合、給付制限が解除され、基本手当を受給できます」
- 協会けんぽ「任意継続」
- 日本年金機構「会社を退職したときの国民年金の手続き」
この記事は、上記の公的機関の情報(2026年10月9日確認)にもとづいて、制度の一般的な内容を説明するものです。個別の取り扱いは、ハローワーク、市区町村、加入している健康保険の窓口で確認してください。


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